もう夜のとばりにつつまれそうである
空は絵の具で描いたようにきれいだ
思えば今日はよく走ったものだ
今日はここで寝よう
ローレライに車を止め
車内から闇夜のラインをぼんやり見つめる
深夜で通る車もほとんどない
聞こえるのはラインの流れ
時折ラインを通行する
貨物船のエンジン音だけである
ほんとうに静かだ
かすかに遠くから電車の音が聞こえてくる
だんだん近づいてくるのがわかる
電車は汽笛を鳴らした
汽笛が闇夜の中にこだまする
まるでローレライの美少女の歌声のように.....
そしてまた静寂につつまれる
「なじかは知らねど心わびて」の歌で有名な
ローレライを見下ろす位置にあるねこ城
14世紀、この城の対岸にそびえ建つ城
ラインフェルス城の城主である
カッツエンネルンボーゲン伯爵によって建設
フランス革命軍に破壊され
1898年に再建されたそうである
カッツとはドイツ語の猫
城主の名から「ねこ城」と呼ばれている