マグダレンス山
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 この日も、朝起きてみると深い朝霧に覆われていました。ヨーロッパ内陸部は、放射冷却によって朝霧が発生しやすいようです。私の旅行時の朝は相当早くて、朝5時ごろには、既に出発することが多いのでが、数メートル先の視界もままならない状態で、まだ気温が上がるまで時間があるので、何処か高い場所に行こうと考えました。そうして偶々辿りついたのがマグダレンス山Magdalensberg 1058mです。結構、標高のある山で、山頂まで時間を要しましたが、山頂は思った通り雲海の上でした。  山頂には巡礼教会と、なぜかこんな場所にローマ人の遺跡がありました。オーストリア一帯は、遥か昔にケルト人によるノリクムNoricumという王国が支配していました。しかし、ノリクム王国も強大なローマ帝国によって征服されてしまいます。この遺跡は、ノリクム王国を征服するためにローマ人が築いた城塞だそうです。ノリクム王国の首都であった、ノーレイアNoreiaがこの付近にあったそうなので、このような山頂に城塞を築き、ノリクム制圧を押し進めたのでしょう。  なお、ケルト人はオーストリア各地や中部ヨーロッパに多くの足跡を残しています。このサイトでも紹介しているハルシュタット村Hallstattの「Hal」はケルト語の「塩」というのは、なかなか有名な話で、〜HallとかHall〜というような地名は数多く見受けられます。そこでは岩塩が採掘されたのでしょう。ヨーロッパの大河、ドナウ河Donau、ライン河Rhein、ローヌ河Rhoneもケルト語の「川」を意味する単語から派生しています。
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