ドイツの黒い森シュヴァルツヴァルトSchwarzwaldから黒海にそそぐ全長3000キロのドナウ河Donauでも、この辺りはヴァッハウ渓谷Wachauと呼ばれ、ドナウきっての景勝地です。城や僧院、ブドウ畑とドナウが、まるで銀色に輝く帯のように列なっています。ヴァッハウ渓谷と云っても、日本人には川幅も広くて渓谷という感はしないかもしれません。そもそも、アルプスを源流とする他の大河と違って、ドナウ河の源流域は、標高1000m余りのシュヴァルツヴァルトなので、ゆったりと流れています。
なんだか新潟県中越地震で先週の台風23号の水害が、はるか昔のように感じますが、ようやく水が引いた兵庫県の豊岡は酷いですね。私が2年前に訪問した、このシェーンビュール村や付近の光景も、まさに豊岡と同じでした。こんなに川幅が広いドナウ河が堤防よりも水位が上昇するのですから驚くべきことです。ただ日本の河川洪水と根本的に違うのは、洪水が局地的というより一カ国で済まない場合もあります。実際この年の洪水もそうでした。