壁紙から音も聞こえればいいのですが、実は教会の鐘が鳴っています。そして、ランチ村Lantsch/Lenzの村人たちが教会の夕べの祈りから家に帰るところです。叔母車を引いたお婆ちゃんの姿が見えます。子供たちは、何千年と変わることのない眼下のアルブラの谷Albulaを眺めています。そして鐘の音色は、夕べの心地よい風に運ばれ、遠くに見えるオーバーハルプシュタインの谷Oberhalbsteinを超え、遥かエンガディンの山Engadinに消えていくのです。そこには、何百年も変わることのない日常がありました。