谷や丘の上を漂う雲のように私はひとりさまよい歩いていた
そのときふと目にしたのは茶色の水鳥の大群が
湖のほとり木立の下でそよ風におどるさま
銀色にひしめいてひかりまたたく星屑のよう
彼等は入り江のふちにそって目路のかぎりつらなっていた
一目見てざっと百の水鳥が頭をふり立て陽気におどっているのだ
まわりの波もおどっていた しかし彼等の歓びようはきらめく波を上回っていた
このように楽しげな連中に出逢っては旅人も心うかれざるを得ない
私はただ見とれていたがその眺めがどのような富を私にもたらしたか気づかなかった
というのは茫然とまた思いに沈んで臥しどに身を横たえるとき
彼等は孤独のよろこびである内心の眼にひらくのだ
すると私の心は歓びにあふれ水鳥とともにおどるのだ