広大なピーク国立公園Peak National Parkのなかで唯一、ピークらしくないのがベイクウェル村Bakewellがあるワイ川Wye下流の、この辺り。なんか下の写真を見ると南東イングランドのような風景を彷彿とさてくれます。ピーク国立公園内で森があるのは、ここだけといって過言はなく、他地域は、ずっと前にアップしたダヴデイルDovedaleのような石灰岩の谷や荒野が広がっています。村を散策しても、なんだかここがピークであると忘れてしまいそうな程、賑やかで、どことなく行き交う人々の表情も明朗に感じます。実際、この日は、週に一度の青空市が開かれているらしくて、とても賑やかな観光日和となりました。 　ベイクウェルといって忘れてはならないのは、イングランド名菓ベイクウェル・プディングBakewell Pudding（ベイクウェル・タルト）ですね。甘〜いアーモンド風味のカスタードと、山の幸豊かなピークならではの甘酸っぱい自家製ジャムが程よくミックスして、とってもおいしいタルトでした。なんでも、１９世紀、この村のベーカリーで苺タルトを作ろうとしたコックが、間違ってタルトにカスタードを注いでしまったそうです。でもそれがお客さんには評判となり、付近の村々にも伝わって名菓となったそうな、チャンチャン、というかわいらしいドラマがあります。スイーツ大好きな方は、ベイクウェルに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 　なお、日本のプリンは、このカスタード・プディングから派生していますが、イギリスには甘くないプディングも数多くあり、実はこちらの方が先輩プディングになります。ローストビーフの付け合せとしてでるヨークシャー・プディングYorkshire Pudding 私も大好きですし、イングランド式朝食にでてくる、黒くて丸いやつ知っています？あれもプディングの一種でブラック・プディングBlack Puddingと呼ばれます。材料が気になる人は食べ終わってからB&Bの人にでも聞いてみてください＾＾；　こういったプディングの元祖はスコットランドの名物料理ハギスHaggis、つまり羊の内臓の腸詰にあるといわれています。つまり、プリンの親方さまって甘くなかったのですね。