かつて世界は森林に覆われていました。しかし文明社会が必然的に森林を破壊しました。その結果かつての文明の中心地エジプトは砂漠になりました。ギリシアの緑は惨憺たる状態です。嘗てケルト人たちは緑深いヨーロッパ大陸の森に住んでいました。しかし彼らはローマ人に追われヨーロッパの辺境へと移住しました。(アイルランド、スコットランド、ウェールズなど) ケルトの伝説に有名な話があります。そう、深い森には妖精が住むというあれです。しかし妖精伝説の国も現在では深い森はほとんど存在しません。そう、この写真のように森がまったくないのです。森林破壊のせいです(森林率10%弱) しかし見てください、この緑に覆われた大地を。このような緑に覆われ羊が草を食む光景が国中に広がっています。壁紙の中でこっちを向いているのは岩ではなくひつじですよ。イギリスが数多くの有名なファンタジー小説を生むわけは、この自然の豊かさがなにより雄弁に物語ってくれます。他のヨーロッパ諸国のように大地が畑などとして緑を失ってないからでしょう。参考として日本は世界有数の森林大国で森林率は70%弱です。しかし、原生林以外はお世辞にも美しいとは言えない針葉樹で植林された人工の山。おまけに大量の花粉を撒き散らし、道路脇には無数のゴミの散乱。日本の緑深き美しい国というのを改めて考えさせられるのと同時に、我々が口癖のように言っている「美しい日本の風景を後世に残したい」と本気で考えている方がどれだけいるのでしょうか。英国で動物たちがゴミのない美しい野山を自由に駆け巡る光景を見ると、森林率の比率が必ずしもその国の自然の豊かさの指標になるとは言えないのかもしれません