バンベリーBanburyからエヴェシャムEveshamに向かうＢ４０３５道路を、日本やドイツに倣って、北コッツウォルズ・メルヘン街道と呼んでいます。無論、私だけの呼び名です。北コッツウォルズ・メルヘン街道を走れば、次から次へと北コッツウォルズ独特の色をした、魅力的な村々が迎えてくれます。またこの街道沿いの村々は、現在では比較的珍しくなった藁葺き屋根のコテージもたくさん残っています。元来、英語でコテージとは、草葺屋根で石造りのこのような家を指す言葉なのだそう。この街道沿いの村は、周囲に鉄道路線が走っていないということもあって、地方の核となるような町が存在しません。だから旧き良き時代の形見が現在に残っているのでしょうね。 　このタッドマートン村Tadmartonは、バンベリーの近郊にある街道沿いの小さな村です。イギリス人と云えば、ファッションや食べ物には無頓着で、大陸の国々に比べて地味で美的センスが劣っている印象を与えますが、写真の民家を見れば、イギリス人のセンスの良さがひしひしと伝わってきます。どことなく日本人のセンスに近いものがあるように感じるのは私だけでしょうか。イギリスでは、通りから見える所に、パラボナアンテナなど景観美を壊すものを配置しないという暗黙の決まりがあります。イギリス旅行に行かれた方（主婦の方など特に）で、「なんで洗濯物を干していないのかなぁ？天気がわるいからかなぁ？」と不思議に思ったかもしれません。実は、景観美の要因もあるのですね。真の美的センスがあるのは、イギリス人の方なのかもしれません。